デッキ解説 - AFネメシス
hasu選手がRAGE西日本予選で使用したりと、最近話題のネメシスについての記事です。
ナーフの発表も迫り、もしかすると賞味期限の短い記事かも知れませんが読んで頂ければ幸いです。
もくじ
AFネメシス
1.デッキレシピ
①生命の量産採用型
(高コスト帯はプレミアで揃えてるのに低コストが全く出ません\(^o^)/)
こちらは<生命の量産>を採用した一般的な形。
完成度についてもある程度の自信があるので、今回の記事はこちらのリストの解説になります。
②生命の量産不採用型
<生命の量産>を不採用としたリスト。
一般的なAF(アーティファクト)を軸としたネメシスの欠点として挙げられる、<生命の量産>被りによる事故やライフゲインの少なさを改善しようと試みた形になります。
正直まだまだ煮詰められる部分も多いと感じているので、一つの提案として受け止めて頂ければ幸いです。
<デウスエクスマキナ>の効果が適用されている状態で<サハクィエル>+<イスラーフィール>のコンボを行うと、<デウスエクスマキナ>の効果処理後に<イスラーフィール>が戻ってくるのは覚えておいて損はないはずです。
2.概要
前述しましたが、今回の記事は①の生命の量産採用型のリストの解説になります。
不採用型についてもある程度固まった際にご紹介できればと思いますので、お楽しみにして頂けると嬉しいです。
まずは自分がネメシスを触ってみようと思った経緯からお話しようと思います。
<バハムート>の能力調整により、AF軸のキーカードである<加速装置>が破壊されることが少なくなりました。
ステータスの修正も大きく、9/9は<エンシェントアーティファクト>3体で討ち取ることが可能です。
3体というと一見難しいようにも思えますが、ネメシスは<生命の量産>や<ハーメルン>の効果を活用することでアーティファクトを量産することができますから、決して困難な条件ではありません。
また最近ではニュートラルエルフの流行も大きいです。
<ビューティ&ビースト>は驚異的なステータスと破壊耐性を持つ、対処の難しいフォロワーですが、基本的にAF軸ネメシスの前には無力です。
<エンシェントアーティファクト>による処理はもちろん、今回のリストでは不採用としていますが<異界転送>による処理も可能です。
ドロシーウィッチの100点満点の動きは例外になりますが、ステータスの押し付けや強力な盤面の構築をメインとしたデッキには有利が付きます。
今回紹介するリストですが、フィニッシャーを<造られし獣人・サフィラ>のみに絞らず、<機構翼の剣士>や<重力戦士>によりデッキに加わることが期待できる<レディアントアーティファクト>によるフィニッシュも狙えるものになっています。
<ハクラビ>の採用により、中盤にアーティファクトの破壊数を稼ぎやすくなっているため、<造られし獣人・サフィラ>の打点が伸びやすいのも大きな魅力の一つです。
3.基本戦略
AFネメシスの主な勝ち筋は、
- <エンシェントアーティファクト>や<加速装置>を活用し、相手のボードを一方的に破壊し続ける物量作戦
- <レディアントアーティファクト>を<生命の量産>で増やし、4点疾走を連打し続ける
- エンハンス<造られし獣人・サフィラ>によるバーストダメージ
- <魔鉄の獅子>or<イカロス>→<熱狂の機兵士>→<ハーメルン>+1コストアーティファクト×2により序盤からテンポを取り続ける
あたりになるかと思います。
正直4番目に関しては、基本的にデッキパワーの低い相手や事故を起こした相手にしか通用しません。
1~3番目については基本的に<デウスエクスマキナ>が絡んでいますから、<デウスエクスマキナ>の勝利への寄与度は非常に高いです。
つまりAFネメシスの構築は、
のどちらかに寄せる必要があると言えます。
しかしAFネメシスは、デッキにアーティファクトカードを埋め込むことが絶対になります。
アーティファクトカードはどれもコストに対して強力な効果を持ちますが、<デウスエクスマキナ>のドローを阻害してしまう、というデメリットを持ちます。
アーティファクト追加効果を持つカードを削ることも考えましたが、すると今度は<デウスエクスマキナ>の効果起動後、十分にアーティファクトカードを引き込めずに負けてしまうケースも増えてしまいました。
そこで<デウスエクスマキナ>を引き込むまでの繋ぎとして、<加速装置>と組み合わせた際の爆発力が凄まじい、<ハクラビ>の採用を決めました。
また<ハクラビ>は、<デウスエクスマキナ>が見えている場合でも有効活用が可能です。
5T:<ハクラビ>
6T:<デウスエクスマキナ>(非共鳴状態なのでリセットなし)
7T:<ハクラビ>で加えたアーティファクトで処理
の動きは、後の<造られし獣人・サフィラ>の打点を上げることにも繋がりますし、
5T:<ハクラビ>
6T:<デウスエクスマキナ>
→<生命の量産>で<エンシェントアーティファクト>のコストを0に
→<エンシェントアーティファクト>(1PPに)
→<加速装置>
のムーブも実現できればかなり強力なものになります。
4.各カードについての解説
○生命の量産
デッキを生命の量産採用型と分類していることからも伝わるかと思いますが、デッキのキーパーツの内の1枚になります。
共鳴/非共鳴を調整するのにはもちろん、序盤に引き込んでしまった<造られし獣人・サフィラ>を流す展開になってしまったとしても、<レディアントアーティファクト>を量産することでフィニッシュプランが見えてきます。
<製造術>or<魔鉄の獅子>→<熱狂の機兵士>から加わった<アナライズアーティファクト>を量産することで3ターン目に横並びを作れるのも強力で、強い場面を挙げたらキリがありません。
時々事故の原因にもなるカードですが、こういった形のAFネメシスでは3投確定になるカードだと思います。
○機構翼の剣士
ランダム性はやや気になりますが、すべてのアーティファクトカードをデッキに埋め込むことができる2コストフォロワーです。
<機構翼の剣士>と<重力戦士>の採用により、<鉄杖の機構士>や<鉄鋼の拳闘士>といったカードを採用しなくても<ミスティックアーティファクト>や<レディアントアーティファクト>にアクセスできるルートを確保できるため、デッキ構築に幅を持たせることが可能になります。
また後述しますが、2コストにアーティファクト追加効果を持つカードを9枚採用することで、マリガンで<熱狂の機兵士>を単キープできるようになります。
○肉球砲の撃ち手
<機構翼の剣士>や<重力戦士>の採用により<鉄杖の機構士>を採用する必要がなくなったため、代わりに3コスト枠として入れられるようになったカードです。
<ハクラビ>と(<エンシェントアーティファクト>)の相性が良く、巷では「魔将軍ハクラビ」なんて表現も見かけるようになってきました。
<すり替わり>と合わせて即時除去が5枚の体制を取れており、特にアグロ~ミッドレンジタイプのデッキに対して輝くことの多い1枚です。
○すり替わり
テキストだけを見ると3枚採用確定のようにも思えるカードです。
アグロデッキの序盤の展開を防いだり、エルフやヴァンパイアに対しては2面除去も狙えたりと、マッチアップによっては全力で引き込みに行きたいこともあります。
しかし劇的な効果を発揮するのが4ターン目までであること(5ターン目以降はあまり強力でないこと)が多く、ドロシーウィッチの多い現環境では2枚採用が適量だと感じました。
環境次第では3枚目が優先される可能性も十分に有り得るでしょう。
○重力戦士
<機構翼の剣士>と共に、デッキ内に様々な種類のアーティファクトを供給してくれます。
4コストとやや扱いづらいですが、こちらは進化時効果によりアーティファクトカードを1枚サーチできるため、共鳴調整はもちろん、<加速装置>さえあれば擬似的な<イカロス>としての役割を果たすこともできます。
<デウスエクスマキナ>の効果発動後はPPも余りがちになりますので、積極的に<重力戦士>を召喚することで<ミスティックアーティファクト>や<レディアントアーティファクト>の数を増やしていきましょう。
○ハクラビ
基本戦略の項でも解説しましたが、<デウスエクスマキナ>までの繋ぎとしてだけでなく、全体的なデッキパワーを引き上げてくれるカードです。
デッキ全体でもこのカードのバリューを引き上げることを意識しているため、なくてはならない1枚になっています。
5.採用していないカード
○虚数物体
時間制限こそありますが、<不滅の聖剣・デュランダル>をも凌ぐダメージカット能力を持ったアミュレットです。
しかし効果は魅力的な一方で、盤面を埋めてしまう点が引っかかります。
もともと1コスト帯のカードを序盤に抱え込み過ぎてしまう事故が目立っていたこともあり、最終的に自分は採用しないという結論に至りました。
採用しているプレイヤーも多いカードですから、試してみる価値は十分にあると言えます。
○鉄杖の機構士
まず前提として、<ミスティックアーティファクト>と<レディアントアーティファクト>はどちらも場に<加速装置>(または<デウスエクスマキナ>)があること前提のカードだと考えています。
どちらも手札消費がない点は魅力的ですが、3コスト2/3の守護や5コスト4/3の疾走として見た場合、AFネメシスというデッキと噛み合っているとは言えません。
3ターン目に<ミスティックアーティファクト>を2枚も埋め込んでしまうと、<イカロス>の進化時効果による2面除去を行える確率も下がってしまいますし(その点<肉球砲の撃ち手>は優秀)、<機構翼の剣士>と<重力戦士>を採用した今回のリストでは必要ないと判断しました。
<鉄鋼の拳闘士>については、そもそも4ターン目に4コストフォロワーをプレイしたい状況が少なく温存しやすいことや、勝ち筋を明確に確立できる点を評価しており、十分に採用価値のあるカードだと思っています。
○ウリエル
<神秘の番人・スピネ>が41枚目、<ウリエル>が42枚目という印象です。
せっかくなのでまとめてこの2枚のお話をしていきます。
<神秘の番人・スピネ>は痒いところに手が届く優秀なフォロワーです。
<肉球砲の撃ち手>、<重力戦士>を3枚採用しているため、これらの攻撃力3と<神秘の番人・スピネ>の効果を組み合わせることで、相手の2コストフォロワーの進化を返せます。
弱い点を挙げるとすれば、アーティファクトを埋め込むカードを多数採用しているため、<スピネのアーティファクト>のラストワード効果による1ドローの質にあまり期待できない点や、直接デッキの動きと関係していないところですが、どちらもほとんど気になりません。
続いて<ウリエル>のメリットとして、
・<加速装置>をサーチできる
・共鳴/非共鳴状態を調整できる
の2点が挙げられます。
一方デメリットも多く、4コスト3/3という低ステータスや、単体では活躍できないこと、<デウスエクスマキナ>の効果起動後にはノイズになりやすいことなどが挙げられます。
まとめると、
- <神秘の番人・スピネ>は強力な場面も多いが、デッキの動きを支えるカードではない単純なパワーカードという印象
- <ウリエル>はサポートカードとしては優秀だが、カードパワーが低く、弱い場面も目立つ
以上の理由から優先度を低めに付け、不採用としました。
6.マリガンについて
★単体キープ
・<製造術>
感覚としてはドロシーウィッチの<知恵の光>キープに近いです。
効果によって加わる<アナライズアーティファクト>はドロー効果が付いているため、デッキの回転を阻害しづらいですし、<熱狂の機兵士>の受けを作れるのは優秀だと言えます。
後攻で手札に<イカロス>が見えていて、4T目に進化を切る展開になりそうであればキープしないこともありますが(<エンシェントアーティファクト>のサーチを行いづらくなってしまうため)、基本的には初手にあれば嬉しいカードです。
・<熱狂の機兵士>
単体キープの対象である<製造術>に加え、<魔鉄の獅子>、<イカロス>、<機構翼の剣士>の計12枚とのくっつきが期待できます。
そのまま4T目の動きへと繋げることもできますし、キープして損の無いカードだと言えるでしょう。
ただし<デウスエクスマキナ>が見えている場合、<ハーメルン>を除く2コストフォロワーとセットでなければ返したほうが良いと考えています。
キーカードを引き込むことができているため、しっかりと2コストから動く方が重要であり、デッキ内のアーティファクトカードの枚数を十分なものにしておくのも大切だからです。
・<デウスエクスマキナ>
デッキの核です。高コスト被りの事故よりもこのカードが引き込めないことを危惧するべきです。
★セットキープ
・<魔鉄の獅子>
<熱狂の機兵士>or<ハクラビ>とセットであればキープしています。
<アナライズアーティファクト>は1コストと余ったPPで展開できる上、デッキの圧迫を行わない点を大きく評価しています。
・<ハーメルン>
<製造術>or<イカロス>or<魔鉄の獅子>+<熱狂の機兵士>の2枚が見えている場合のみキープ。2~4Tの理想ムーブになります。
7.あとがき
前回の無謀ドラゴンの記事と比べると、「〜思います。」や「〜考えています。」といった言い切りでない表現が多くなってしまいました。
周りに使っているプレイヤーが少なく、意見のすり合わせができなかったこともあり、間違っている部分もあるかも知れません。
未だ開拓されていないデッキなので、その可能性は未知数です。
RAGE西日本予選の配信卓では残念ながら活躍が見られませんでしたが、明日のナーフ次第では触るプレイヤーも増えてくるでしょう。
ナーフ前に仕上げたかったこともあって、書ききれていない部分もいくつかございます。
何か質問等ございましたらできる範囲で協力させて頂きますので、いつでもリプライお待ちしております。